不動産に関する 用語集です。

家探し品確法
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の略称。住宅の性能の表示基準を定めるとともに、住宅新築工事の請負人と新築住宅の売主に10年間の瑕疵担保責任を義務付ける法律。

品確法は、平成10年の秋田県木造住宅株式会社の破産による千葉県の欠陥住宅被害の発生を直接のきっかけとして、欠陥住宅に対する世論の高まりを受けて、 建設省(現国土交通省)が法制化を推進し、平成11年6月に国会で成立し、平成12年4月1日から施行された法律である。

なお、品確法は平成14年8月20日に改正され、その際に既存住宅(新築後1年以上経過した住宅または新築後1年以内に人が住んだことがある住宅をいう)についての住宅性能評価が導入されている。

品確法の主な内容は次のとおりである。

1)住宅性能評価書の作成
国土交通大臣により登録を受けた評価専門会社等(これを登録住宅性能評価機関という)に依頼することにより、住宅性能評価書を作成することができる(同法第5条)。
住宅性能評価書には、設計図等をもとに作成される設計住宅性能評価書と、実際に住宅を検査することにより作成される建設住宅性能評価書がある。

2)住宅性能評価書の作成方法
登録住宅性能評価機関は、住宅性能評価書を作成するにあたっては、国土交通大臣が定めた正式な評価基準である「日本住宅性能表示基準」に準拠しなければならない(同法第5条、第3条)。

3)住宅性能評価書の役割
住宅の建築請負契約書または新築住宅の売買契約書に、住宅性能評価書を添付した場合等には、請負人や売主はその評価書に表示されたとおりの性能の住宅を、注文者や買主に引き渡す義務を負うことになる(同法第6条)

4)弁護士会による紛争処理
建設住宅性能評価書が交付された住宅について、請負契約または売買契約に関する紛争が発生した場合には、紛争の当事者は、弁護士会の内部に設置されている指定住宅紛争処理機関に対して、紛争の処理を申し立てることができる(同法第63条)。
紛争処理を申請する際に当事者が負担する費用は、原則として1万円である(同法69条および同法施行規則第104条・第105条)。

5)住宅紛争処理支援センターの設置
上記4)の弁護士会による紛争処理を支援する等の目的で、住宅紛争処理支援センターが設置された。具体的には住宅紛争処理支援センターとして「財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター」が国土交通大臣によりすでに指定されている(同法第78条)。
この住宅紛争処理支援センターは、弁護士会に対して紛争処理の業務に要する費用を助成するほか、登録住宅性能評価機関から負担金を徴収する等の事務を行なっている。

6)10年間の瑕疵担保責任の義務付け
売買契約や請負契約では、契約の対象となった物に欠陥があることが後日判明した場合には、売主や請負人は民法第638条等・民法570条の規定により、原則として損害賠償等の責任を負わなければならない。
このような売主や請負人の責任を「瑕疵担保責任」(かしたんぽせきにん)と呼ぶ(瑕疵は「きず」という意味であり、「欠陥」と同じ意味である)。

しかしながら実際の請負契約・売買契約では、瑕疵担保責任を負う期間が「2年」などの短い期間に設定されるのが普通であり、このことが欠陥住宅問題の発生原因の一つであると考えられた。

こうした状況を改善するため、住宅品質確保法では「住宅を新築する建設工事の請負契約や新築住宅の売買契約では、請負人や売主は、住宅を引き渡した時から 10年間にわたって、住宅の主要な部分に関する瑕疵担保責任を必ず負う」と規定し、住宅の注文者や買主を強く保護している(同法第87条・第88条)。